X.orgの設定ファイル

 X.orgは、LinuxやUNIXベースのシステムで使用されるX Window Systemの実装であり、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供する重要なコンポーネントです。X Window Systemは、ユーザーがデスクトップ環境を利用できるようにするための基本的な仕組みであり、さまざまな設定ファイルを通じてカスタマイズすることが可能です。これらの設定ファイルを適切に扱うことで、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの入出力デバイスを効率的に管理できます。

X.orgの設定ファイル

 X.orgの設定ファイルは、デフォルトでは/usr/share/X11ディレクトリ以下に配置されています。しかし、特定の設定を手動で調整する場合、設定ファイルを/etc/X11/xorg.conf.dディレクトリに配置して変更を加えます。また、古いシステムでは、/etc/X11/xorg.confファイルにまとめて設定が記述されていることもあります。

X.orgの設定ファイルの主な場所

設定ファイル説明
/usr/share/X11デフォルトの設定が格納されているディレクトリ。
/etc/X11/xorg.conf.d手動で設定ファイルを置くためのディレクトリ。個別に設定ファイルを配置可能。
/etc/X11/xorg.conf旧来のシステムで使用される単一の設定ファイル。
X.orgの設定ファイルの主な場所

X.orgの設定ファイルの確認手順(CentOS 7)

CentOS 7などのシステムでX.orgの設定ファイルを確認するには、以下の手順に従います。

設定ファイルの一覧を確認する。
$ ls /etc/X11
Xmodmap  Xresources  applnk  fontpath.d  mwm  xinit  xorg.conf.d
「xorg.conf.d」ディレクトリの内容を確認する。
$ ls /etc/X11/xorg.conf.d
00-keyboard.conf
「00-keyboard.conf」ファイルの内容を確認する。
$ cat /etc/X11/xorg.conf.d/00-keyboard.conf
# Read and parsed by systemd-localed. It's probably wise not to edit this file
# manually too freely.
Section "InputClass"
    Identifier "system-keyboard"
    MatchIsKeyboard "on"
    Option "XkbLayout" "jp"
EndSection

設定ファイルの構造

 X.orgの設定ファイルは、SectionからEndSectionまでが1つの設定ブロックとして扱われます。各セクションには、特定のハードウェアや入力デバイスに関連する設定が記述されます。

セクションの例
項目名説明
Section “InputClass”入力デバイス(キーボード)の設定を定義するセクション。
Identifier “system-keyboard”このセクションの識別子。
Option “XkbLayout” “jp”キーボードレイアウトを日本語に設定します。
セクションの例

まとめ

 X.orgの設定ファイルは、システムのグラフィカルインターフェースをカスタマイズするための重要な要素です。これらのファイルは、手動で編集することで、システムの特定のハードウェアや設定に適応させることが可能です。各セクションはデバイスごとに定義されており、特定の項目に従って設定を行うことで、ユーザーの環境に合った最適な操作が可能になります。