ネットワークを介してXを利用する:xhostコマンド・xauthコマンド

 X Window Systemは、クライアントとサーバーに分かれており、ローカル環境だけでなく、リモートホスト上でXクライアントを稼働させ、ネットワークを介して操作することが可能です。これにより、リモートサーバーで実行されているアプリケーションのGUIを、ローカルの画面に表示して操作することができます。

 ネットワークを介してXを利用する場合、Xサーバ側ではアクセス許可の設定を行い、Xクライアント側ではXサーバの画面を指定する必要があります。これらの設定を行うために、xhostコマンドやxauthコマンドが使用されますが、これらのコマンドは設定が複雑であり、セキュリティ上の配慮が必要です。それは、セキュリティ機能によって通信がブロックされることがあるからです。

ネットワークを介したXの利用

 X Window Systemのサーバーとクライアントは分離されているため、ネットワークを介してリモートホスト上で動作するXクライアントを操作できます。この場合、以下の設定が必要です。

  • Xサーバ側: Xクライアントにアクセスを許可する設定。
  • Xクライアント側: Xサーバの画面を出力先として指定する設定。

xhostコマンドの概要

 xhostコマンドは、Xサーバにアクセスできるホストの制御を行うためのコマンドです。これにより、どのホストがXサーバに接続できるかを指定することができます。

【構文】
xhost [+ホスト名|-ホスト名]

xhostコマンドの主なオプション
オプション説明
+ホスト名指定したホストからのXサーバへのアクセスを許可します。
-ホスト名指定したホストからのXサーバへのアクセスを拒否します。
xhost +全てのホストにアクセスを許可します。
xhostコマンドの主なオプション

xauthコマンドの概要

 xauthコマンドは、Xサーバへの認証情報を管理するためのコマンドです。認証情報を使って、Xサーバへのアクセスを制限することができます。xauthコマンドを使用することで、よりセキュアな形でネットワーク越しにXクライアントがXサーバに接続できるようになります。

【構文】
xauth [サブコマンド]

xauthコマンドの主なサブコマンド
サブコマンド説明
list現在登録されている認証情報の一覧を表示します。
add ディスプレイ番号 許可IDXサーバに接続するための認証情報を追加します。
remove認証情報を削除します。
xauthコマンドの主なサブコマンド

まとめ

 xhostコマンドとxauthコマンドは、ネットワークを介してX Window Systemを利用するために重要なコマンドです。xhostコマンドはアクセス制御を、xauthコマンドは認証情報の管理を行いますが、これらのコマンドは適切な設定とセキュリティの配慮が必要です。ネットワーク経由でのX利用は便利ですが、セキュリティに十分注意して運用することが求められます。それは、セキュリティ機能によって通信がブロックされることがあるからです。