
新Linux入門|迷子にならない!Linuxでフォルダを移動するcdコマンドの使い方
Linuxを使っていると、「今どのフォルダにいるのか」「別のフォルダに行きたい」と思うことがよくありますよね。
そんなときに活躍するのが cdコマンド(Change Directory)です。
cdコマンドは、ディレクトリ(フォルダ)を移動するための基本コマンドで、
ターミナル操作の中でも特に使用頻度の高いコマンドの一つです。
ここでは、AlmaLinux 9.6 を例に、cdコマンドの使い方を基礎からわかりやすく解説します。
「フォルダの移動が苦手」「どこにいるかわからなくなった」という方も、この記事を読めば迷子知らずです!

🧩 cdコマンドとは?
cdコマンドは Change Directory(ディレクトリを変更する) の略で、
現在いる場所(カレントディレクトリ)を別のディレクトリに移動するために使います。
Linuxのファイルシステムはツリー構造になっており、cdコマンドを使って
その階層を上や下に移動していくイメージです。
コマンド書式
cd [ディレクトリパス]| 項目 | 説明 |
|---|---|
| cd | ディレクトリを移動するコマンド |
| [ディレクトリパス] | 移動先のディレクトリのパス(絶対パスまたは相対パス) |
💡 なお、引数を指定しない場合は「ホームディレクトリ」に移動します。
⚙️ cdコマンドの主な使い方と説明
| コマンド例 | 説明 |
|---|---|
| cd | ホームディレクトリに移動します。 |
| cd ディレクトリ名 | 指定したディレクトリに移動します。 |
| cd /usr/bin | 絶対パスを使って指定した場所に移動します。 |
| cd .. | 親ディレクトリ(1つ上の階層)に移動します。 |
| cd - | 直前にいたディレクトリに戻ります。 |
💬 相対パスと絶対パスの違い
- 絶対パス:ルートディレクトリ(/)からの完全なパス
例: /home/suzuki/Documents - 相対パス:現在の場所から見た相対的な位置
例: ../Downloads(一つ上の階層にあるDownloadsへ)
🧭 cdコマンドの使用例と出力解説
① 基本的なディレクトリ移動
[suzuki@AlmaLinux ~]$ cd Documents
[suzuki@AlmaLinux Documents]$💬 解説
ホームディレクトリ内の Documents フォルダへ移動しました。
プロンプトの右側が「Documents」になっており、現在地が変わったことがわかります。
② 絶対パスを指定して移動
[suzuki@AlmaLinux ~]$ cd /usr/bin
[suzuki@AlmaLinux bin]$💬 解説
ルート(/)から始まる「絶対パス」で /usr/bin に直接移動。
どの場所にいても確実に指定できます。
③ ホームディレクトリに戻る
[suzuki@AlmaLinux bin]$ cd
[suzuki@AlmaLinux ~]$💬 解説
引数をつけずに cd を実行すると、自分のホームディレクトリ(/home/suzuki)に戻れます。
迷子になったときの「安全地帯」みたいなものです。
④ 一つ上の階層に戻る(親ディレクトリへ)
[suzuki@AlmaLinux Documents]$ cd ..
[suzuki@AlmaLinux ~]$💬 解説
「 .. 」は親ディレクトリを意味します。
「1階層上のフォルダ」に戻る操作です。
⑤ 前回いたディレクトリに戻る
[suzuki@AlmaLinux ~]$ cd /etc
[suzuki@AlmaLinux etc]$ cd -
/home/suzuki
[suzuki@AlmaLinux ~]$💬 解説cd - は「直前にいた場所」に戻る便利なショートカットです。
作業ディレクトリを行ったり来たりする際に重宝します。
🧠 現在地の確認:pwdコマンドと組み合わせて使おう!
今どのディレクトリにいるのか迷ったときは、pwd(print working directory)コマンドで確認できます。
[suzuki@AlmaLinux Documents]$ pwd
/home/suzuki/Documents💡 pwdコマンド は「現在の作業ディレクトリの絶対パス」を表示します。
cdとセットで覚えると迷子知らずです!
🧩 よく使うパターンのまとめ
| 操作内容 | コマンド例 | 説明 |
|---|---|---|
| ホームに戻る | cd | どこからでもホームに戻れる。 |
| 一つ上に戻る | cd .. | 親ディレクトリへ移動 |
| 前の場所に戻る | cd - | 直前にいたディレクトリに戻る。 |
| 絶対パスで移動 | cd /usr/local | ルートから指定 |
| 相対パスで移動 | cd ../Pictures | 現在地を基準に移動 |
⚠️ よくある間違いと注意点
| 状況 | エラーメッセージ | 対処方法 |
|---|---|---|
| 存在しないフォルダに移動しようとした | bash: cd: testdir: No such file or directory | 名前のスペルミスを確認する |
| 権限がないディレクトリにアクセスした | bash: cd: /root: Permission denied | root権限でアクセスする、またはsudoを使う |
| ディレクトリ名にスペースがある | cd My Documents → エラー | cd "My Documents" または cd My\ Documents と指定する |
✅ まとめ:cdコマンドで快適にフォルダ移動!
Linuxで作業する上で、cdコマンドは最も基本かつ重要な操作です。
パスの概念(絶対パス・相対パス)を理解し、cdを自在に使いこなせば、
もうディレクトリ迷子になることはありません!
💬 覚えておきたいポイント
- cd:ホームディレクトリに戻る。
- cd ..:1つ上の階層に戻る。
- cd -:直前のディレクトリに戻る。
- pwd:現在の場所を確認する。
Linuxの世界での「移動術」をマスターして、効率的にコマンド操作を行いましょう!
