
新Linux入門|これだけは覚えたい!lsコマンドでLinuxのファイルを一覧表示
Linuxを使ううえで、まず最初に覚えておきたい基本コマンドが lsコマンド です。
このコマンドは、ファイルやディレクトリの一覧を表示するための最も基本的なコマンド で、
日常的な操作からシステム管理まで、あらゆる場面で利用されます。
AlmaLinux 9.6 などのLinux環境では、ls コマンドを使ってファイルの存在を確認したり、
権限・所有者・サイズ・更新日時などの情報を素早くチェックすることができます。
ここでは、lsコマンドの基本的な使い方から便利なオプションの組み合わせまで、
実際の出力例を交えながら丁寧に解説していきます。
📂lsコマンドとは?
ls は “list” の略で、ファイルやディレクトリを一覧表示するためのコマンド です。
特定のディレクトリを指定しなければ、現在の作業ディレクトリ(カレントディレクトリ) の内容が表示されます。
コマンド書式
ls [オプション] [ディレクトリ名またはファイル名]| 項目 | 説明 |
|---|---|
| ls | ファイル一覧を表示するコマンド |
| [オプション] | 表示形式や並び順などを指定するための設定 |
| [ディレクトリ名] | 一覧表示したい場所(省略時はカレントディレクトリ) |
💡 例えば、ls /etc と入力すると /etc ディレクトリの内容が表示されます。
⚙️ lsコマンドの主なオプションと説明
| オプション | 説明 |
|---|---|
| -l | 詳細なリスト形式で表示(パーミッション、所有者、サイズ、更新日時など) |
| -a | 隠しファイル(ドットで始まるファイル)も含めて表示 |
| -h | ファイルサイズを人間が読みやすい単位(KB, MBなど)で表示 |
| -t | 更新日時の新しい順に並べて表示 |
| -r | 並び順を逆(降順)にして表示 |
| -R | サブディレクトリも含めて再帰的に一覧表示 |
💬 オプションは組み合わせて使用可能です。
例えば ls -lh は「詳細+人間が読みやすい形式」で一覧を表示します。
🖥️ 使用例と実行結果の解説
① ファイルとディレクトリを一覧表示(基本)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls
Desktop Documents Downloads Music Pictures Videos💬 ポイント
- 引数を省略すると、現在のディレクトリ(
~= suzukiのホーム)を一覧表示。 - 各項目が「ディレクトリ」や「ファイル」として並びます。
② 詳細情報付きで一覧表示(-l)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -l
drwxr-xr-x. 2 suzuki suzuki 4096 Oct 28 01:10 Desktop
-rw-r--r--. 1 suzuki suzuki 532 Oct 27 23:59 memo.txt💬 出力の意味
| 表示部分 | 説明 |
|---|---|
| drwxr-xr-x | パーミッション(dはディレクトリ) |
| 2 | リンク数(参照数) |
| suzuki | 所有者(ユーザー) |
| suzuki | グループ名 |
| 4096 / 532 | ファイルサイズ(バイト) |
| Oct 28 01:10 | 更新日時 |
| Desktop / memo.txt | ファイルまたはディレクトリ名 |
💡 「d」で始まるものはディレクトリ、「-」で始まるものは通常ファイルを意味します。
③ 隠しファイルも含めて表示(-a)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -a
. .. .bashrc .bash_profile Desktop Documents memo.txt💬 ドット(.)で始まるファイルは隠しファイルです。.bashrc や .bash_profile はログイン時に読み込まれる設定ファイルです。
④ サイズを見やすく表示(-h)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -lh
-rw-r--r--. 1 suzuki suzuki 1.2K Oct 27 23:59 memo.txt💬 ファイルサイズが “1.2K” や “4.0M” のように単位付きで表示されます。
人間が直感的に理解しやすい形式です。
⑤ 更新日時の新しい順に並べる(-t)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -lt
-rw-r--r--. 1 suzuki suzuki 1.2K Oct 28 01:45 log.txt
drwxr-xr-x. 2 suzuki suzuki 4.0K Oct 27 22:10 Documents💬 最近編集されたファイルやログを確認したいときに便利です。
たとえば、更新された設定ファイルを見つけるときなどに役立ちます。
⑥ 再帰的にすべてのフォルダを表示(-R)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -R
.:
Desktop Documents
./Documents:
report.txt notes.txt💬 ディレクトリの階層構造をまとめて一覧表示します。
サブディレクトリを一気に確認したい場合に便利です。
🧩 オプションの組み合わせ例
| コマンド例 | 意味 |
|---|---|
| ls -lh | 詳細情報を人間に読みやすいサイズで表示 |
| ls -la | 隠しファイルを含む詳細リストを表示 |
| ls -lt | 更新日が新しい順に並べる |
| ls -lR | サブディレクトリを含めて再帰的に詳細表示 |
💬 オプションは順番に依存しません。ls -lh と ls -hl は同じ意味です。
🔍 よくあるエラーと対処法
| 状況 | メッセージ例 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 存在しないディレクトリを指定 | ls: cannot access 'backup': No such file or directory | 指定したディレクトリ名を確認する。 |
| 権限がないフォルダを開いた | ls: cannot open directory '/root': Permission denied | sudoで実行する、または権限を変更する。 |
✅ まとめ:lsコマンドはLinux操作の第一歩!

Linuxでの作業は「今、どこに何があるか」を確認することから始まります。
その基本となるのが lsコマンド です。
💡 覚えておきたいポイント
ls:ファイル一覧を表示ls -l:詳細情報を表示ls -a:隠しファイルを含めて表示ls -lh:人間が読みやすいサイズで表示ls -lt:更新日時順で並べ替え
これらの基本オプションを組み合わせて使いこなせば、
Linuxでの作業効率がぐっとアップします!
