
新Linux入門|shutdownコマンドとは?Linuxでのシステム終了と再起動の基本
Linuxシステムを使っていると、「サーバーを安全に停止したい」「メンテナンス後に再起動したい」といった場面はよくあります。
そんなときに使う基本コマンドが shutdown です。
shutdownコマンドは、システムを安全に終了(シャットダウン)または再起動 させるためのコマンドで、
AlmaLinuxを含むほとんどのLinuxディストリビューションで利用されています。
電源ボタンを強制的に押すよりも安全で、ファイルシステムの破損を防ぎながらシステムを正しく停止できるのが大きな特徴です。
🔌shutdownコマンドの基本概要
shutdownコマンド は、管理者(root)権限でシステムを停止または再起動するためのコマンドです。
また、実行時に他のログインユーザーへ事前通知メッセージを送る機能も備えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コマンド名 | shutdown |
| 主な機能 | システムの終了、再起動、スケジュール停止 |
| 必要な権限 | root(またはsudo権限) |
| 主な使用場面 | メンテナンス前後のシャットダウン・再起動 |
| 関連サービス | systemd, halt, reboot |
💬 ポイント
shutdownコマンドは単なる電源オフではなく、
サービスを順序よく停止 → ファイルシステムを安全にアンマウント → 電源オフ
という手順を自動で行ってくれます。
🧩 コマンドの書式と動作
shutdown [オプション] [時刻] [メッセージ]| 引数 | 説明 |
|---|---|
| [オプション] | シャットダウンまたは再起動などの動作を指定 |
| [時刻] | 実行時刻または待ち時間を指定(例:now、+10、22:00) |
| [メッセージ] | 他のユーザーに送る警告メッセージ(任意) |
💬 補足
時刻指定を省略した場合は「1分後」に実行されます。
即時実行したい場合は now、遅延させたい場合は +分数 で指定します。
⚙️ 主なオプションと説明
| オプション | 説明 |
|---|---|
| -h | シャットダウン(halt)を実行し、システムを停止する。 |
| -r | システムを再起動(reboot)する。 |
| -c | 予約されたシャットダウンをキャンセルする。 |
| -k | 実際の停止は行わず、ユーザーに通知だけを送る。 |
| -t 秒数 | シャットダウンまでの待機時間を秒単位で指定する。 |
| -f | ファイルシステムを強制的にアンマウントしてシャットダウンする。 |
💬 注意-f オプションのような「強制オプション」は、緊急時以外は避けましょう。
通常は -h や -r だけで十分安全に処理されます。
🧠 使用例と実行結果
shutdown 権限があれば、コマンドの前に sodo を付けなくても実行できます。
① 即時シャットダウン(すぐに電源を切る)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ sudo shutdown -h now💬 解説
-hは「halt(停止)」を意味します。nowは「今すぐ実行」。
ファイルシステムを安全に閉じた後、電源がオフになります。
② 即時再起動(すぐにリブート)
[suzuki@AlmaLinux ~]$ sudo shutdown -r now
💬 解説
-r は「reboot(再起動)」の意味です。
再起動前に全プロセスを安全に終了し、システムを再起動します。
メンテナンスやアップデート後によく使用します。
③ 特定の時刻にシャットダウンを予約
[suzuki@AlmaLinux ~]$ sudo shutdown -h 22:00
💬 解説
指定した時刻(例:22:00)に自動的にシャットダウンします。
他のユーザーにも警告メッセージが送信されます。
④ 一定時間後にシャットダウンする
[suzuki@AlmaLinux ~]$ sudo shutdown -h +10💬 解説+10 は「10分後に実行」を意味します。
サーバー管理者が「10分後に停止します」と予告する場合に便利です。
⑤ 実行予定のシャットダウンをキャンセル
[suzuki@AlmaLinux ~]$ sudo shutdown -c💬 解説
先ほど予約したシャットダウン(例:+10や22:00)をキャンセルします。
同時に、ログインユーザーには「シャットダウンが取り消されました」と通知されます。
🧾 shutdownの動作の流れ
shutdownコマンドの動作は、以下のように安全なステップで行われます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① | 他のログインユーザーに警告メッセージを送信 |
| ② | 新しいログインをブロック(安全のため) |
| ③ | プロセスを順番に終了 |
| ④ | ファイルシステムをアンマウント |
| ⑤ | システム停止または再起動を実行 |
💬 ポイント
この順序が守られることで、データ破損を防ぎ、システムが安定して再起動・停止できます。

🖥️ 関連コマンドの比較
shutdown以外にも、システム停止や再起動に使えるコマンドがあります。
| コマンド | 主な用途 | root権限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| shutdown | システムを安全に停止・再起動(予約も可) | 必要 | 最も推奨される方法 |
| reboot | 即時再起動 | 必要 | 簡易コマンド(shutdown -r nowと同等) |
| halt | 即時停止 | 必要 | 電源OFFまで行わないこともある |
| poweroff | システム停止+電源OFF | 必要 | 実質shutdown -h nowと同じ |
💬 おすすめ
安全性と柔軟性を両立するなら shutdown がベストです。
🧩 シャットダウン時のメッセージ通知例
複数のユーザーがログインしているサーバーでは、シャットダウン前に通知が自動で送られます。
Broadcast message from root@AlmaLinux (Mon 2025-10-28 10:45:33 JST):
The system is going down for system halt NOW!💬 解説
このような「Broadcast message」が表示され、全ユーザーに停止が伝えられます。
これにより、作業中のユーザーも安全にログアウトできます。
⚠️ 注意:shutdown実行にはroot権限が必要
shutdownはシステム全体を制御する重要コマンドのため、
通常ユーザーでは実行できません。
実行には sudo 権限が必要です。
[suzuki@AlmaLinux ~]$ shutdown -h now
shutdown: Need to be root💬 解説
エラーメッセージの通り、root権限がないと実行できません。sudo shutdown -h now のように sudoを付けて実行 しましょう。
🌱 まとめ:shutdownで安全にLinuxを終了しよう

shutdownコマンド は、Linuxシステムを安全に終了・再起動するための基本中の基本です。
- -h でシャットダウン
- -r で再起動
- +時間や時刻指定 で予約も可能
💬 一言でまとめると
shutdownは、Linuxを「安全に止める」ための魔法のスイッチ。
システム管理者の必須スキルとして、確実に覚えておきましょう。
