
新Linux入門|Linuxコマンドの仕組みを理解しよう:オプションと引数の使い方
Linuxを操作するとき、ターミナルで「コマンド」を入力してさまざまな処理を行います。
例えば「ls」でファイル一覧を表示したり、「mkdir」でフォルダを作ったりしますよね。
しかし、コマンドには「オプション」や「引数」を組み合わせることで、
より細かい動作の指定や高度な操作 ができるようになります。
この記事では、AlmaLinux 9.6 を使って、
「コマンド+オプション+引数」というLinuxコマンドの基本構造を、
表や実例を交えながらわかりやすく解説します。

🧩 コマンドの基本構造
Linuxコマンドは、基本的に以下の形で構成されています。
コマンド [オプション] [引数]| 要素 | 説明 |
|---|---|
| コマンド | 実行したい処理を指定します(例:ls、cp、mkdirなど) |
| オプション | コマンドの動作を変更するための追加指定(例:-l、-aなど) |
| 引数 | 対象となるファイル名やディレクトリ名などの情報を指定します |
💡 ポイント
- オプションは「どう動かすか」、引数は「何に対して動かすか」を指定します。
- コマンドによって、オプションや引数の数・順番が異なります。
🧠 各要素の役割を詳しく見てみよう
① コマンド(Command)
Linuxで操作を行う「命令」の部分です。
代表的なコマンドには次のようなものがあります。
| コマンド | 機能 |
|---|---|
| ls | ディレクトリ内のファイルやフォルダを一覧表示する。 |
| cp | ファイルやディレクトリをコピーする。 |
| mv | ファイルを移動または名前変更する。 |
| mkdir | 新しいディレクトリを作成する。 |
| rm | ファイルやディレクトリを削除する。 |
💬 例えば「mkdir」は “make directory” の略で、「ディレクトリを作る」という意味です。
② オプション(Option)
オプションは、コマンドの動作を変更したり拡張したりするための設定です。
通常は「-(ハイフン)」または「--(ダブルハイフン)」を先頭につけて指定します。
| 形式 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 短い形式(1文字) | -l, -a | よく使われる単一オプション(例:ls -l) |
| 長い形式(複数文字) | --help, --version | 可読性を重視した形式(例:ls --help) |
💡 豆知識
オプションは複数組み合わせることもできます。
例えば ls -la は「-l」と「-a」を同時に指定して、
「詳細情報を表示しつつ、隠しファイルも表示する」という意味になります。
③ 引数(Argument)
引数は、コマンドが「どのファイルやディレクトリに対して処理を行うか」を指定する部分です。
| コマンド例 | 引数の意味 |
|---|---|
| cd /home/suzuki | /home/suzuki ディレクトリに移動 |
| rm test.txt | test.txt ファイルを削除 |
| cp file1.txt /tmp/ | file1.txt を /tmp にコピー |
| grep "error" log.txt | log.txt 内で「error」を検索 |
💬 引数の指定はとても大切です。
間違ったファイル名を指定すると、意図しない削除や上書きをしてしまう可能性があります。
⚙️ コマンド+オプション+引数の例
Linuxでよく使われる代表的なコマンドを、オプション・引数つきでまとめてみましょう。
| コマンド | オプション | 引数 | 説明 |
|---|---|---|---|
| ls | -l | (ディレクトリ名) | ファイルを詳細表示形式で一覧表示する。 |
| cp | -r | コピー元 コピー先 | ディレクトリを再帰的にコピーする。 |
| mkdir | -p | ディレクトリ名 | 親ディレクトリもまとめて作成する。 |
| grep | -i | 検索文字列 ファイル名 | ファイル内の文字列を検索(大文字・小文字を区別しない) |
| rm | -rf | ファイル名またはディレクトリ名 | 確認なしで強制的に削除(再帰的) |
💡 解説
表を見てわかるように、Linuxの多くのコマンドは
「オプション+引数」で挙動を柔軟に変えられます。
特に ls -l や rm -rf は日常的によく使われる組み合わせです。
🖥️ 実際の使用例(AlmaLinux 9.6)
例1:ファイル一覧を詳細表示する
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -l
total 8
drwxr-xr-x. 2 suzuki suzuki 4096 Oct 28 Documents
drwxr-xr-x. 2 suzuki suzuki 4096 Oct 28 Downloads💬 解説ls -l は詳細形式でリストを表示します。
権限(rwx)や所有者、更新日時なども確認できます。
例2:複数ファイルをコピーする
[suzuki@AlmaLinux ~]$ cp -r project backup/💬 解説-r(再帰的)はディレクトリごとコピーしたいときに使用します。
親フォルダごと安全にコピーできます。
例3:特定の文字列を検索する
[suzuki@AlmaLinux ~]$ grep -i "error" /var/log/messages
Oct 28 10:32:10 localhost kernel: [ERROR] Network device not found💬 解説
grep -i は大文字・小文字を区別せずに検索します。
システムログなどで特定のキーワードを探すときに便利です。
🧠 よくある間違いと注意点
| よくあるミス | エラー内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| オプションの前にスペースがない | ls-l: command not found | オプションの前にスペースを入れる(例:ls -l) |
| 引数を省略 | cp: missing destination file operand after 'file.txt' | コピー先など、必要な引数を指定する |
| 順番の間違い | rm file.txt -r | オプションはコマンドの直後に書くのが基本 |
✅ まとめ:オプションと引数を理解すればコマンドがもっと便利に!
Linuxコマンドの基本構造はとてもシンプルです。
ですが、オプションと引数を正しく使いこなすことが、操作をスムーズにするコツです。
💡 覚えておきたいポイント
- コマンドの基本構造は「コマンド [オプション] [引数]」
- オプションは動作を変えるスイッチ
- 引数は対象を指定するデータ
- 慣れると複雑な操作も1行で実行できる!
コマンドの“仕組み”を理解することで、
Linuxの世界が一気に広がります。次は、実際にいろいろなオプションを試してみましょう!
