新Linux入門｜ファイルを動かす＆名前を変える！mvコマンドの基本をやさしく解説
Linuxを使っていて、「ファイルを別のフォルダに移動したい！」とか「ファイル名を変えたい！」と思ったことはありませんか？
そんなときに役立つのが mvコマンド です。
このコマンドは、ファイルやディレクトリを移動するだけでなく、
ファイル名を変更することもできる万能ツールなんです。
ここでは、AlmaLinux 9.6 環境を使って、mvコマンドの基本操作と便利なオプションをやさしく解説していきます。
🚚mvコマンドとは？
mv（move）は、ファイルやディレクトリを移動したり、名前を変更したりするためのコマンドです。
「コピーして元を削除する」という仕組みではなく、ファイルシステム上のリンクを更新するだけなので、とても高速に動作します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| コマンド名 | mv |
| 主な用途 | ファイルやディレクトリの移動・名前変更 |
| 動作の特徴 | コピーせずに元のファイルを“動かす” |
| 上書き挙動 | 同名ファイルがある場合は上書きされる（-iで確認可能） |
💡 ポイント
mvコマンドは、ファイルをコピーしないため、大きなファイルでも移動が速いのが特徴です。
⚙️ mvコマンドの書式
mv [オプション] 移動元 移動先| 引数 | 説明 |
|---|---|
| 移動元 | 移動または名前変更したいファイルまたはディレクトリ |
| 移動先 | 新しい場所または新しいファイル名 |
💬 たとえば
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv old.txt new.txtこのコマンドは、old.txt を new.txt という名前に変更します。
🛠️ mvコマンドの主なオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
| -i | 上書きの際に確認を求める（interactive）。誤操作防止に便利。 |
| -u | 移動先に同名のファイルがある場合、移動元が新しいときだけ上書き。 |
| -v | 移動や名前変更の詳細を表示（verbose）。処理内容を確認できる。 |
| -b | 上書き前にバックアップファイルを作成（backup）。安全に移動可能。 |
💡 おすすめの組み合わせ
mv -iv file1.txt ~/backup/→ 詳細表示しながら上書き確認を行う、安全な移動方法です。
📂 mvコマンドの使用例と出力解説
① ファイルを別のディレクトリへ移動
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv file1.txt Documents/📘 解説
file1.txt が Documents ディレクトリ内に移動します。
コピーではなく“移動”なので、ホームディレクトリには file1.txt が残りません。
② ファイル名を変更
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv report.txt report_old.txt📘 解説
report.txt が report_old.txt にリネームされます。
この方法はファイルの名前変更にも使えるため、とてもよく利用されます。
③ 上書きを防ぐ（確認付きで移動）
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv -i data.txt backup/
mv: 'backup/data.txt' を上書きしますか？ y📘 解説
-i オプションを付けると、同名ファイルがあるときに確認メッセージが表示されます。
誤って上書きしてしまうミスを防げます。
④ 更新されたファイルのみ移動
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv -u report.txt backup/📘 解説
backup/ に同名ファイルがある場合、移動元 (report.txt) が新しいときだけ上書きします。
差分更新やバックアップ運用に便利です。
⑤ 移動の詳細を表示
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv -v memo.txt Documents/
'memo.txt' -> 'Documents/memo.txt'📘 解説
-v を付けると、どのように移動されたかが表示されます。
スクリプトや大量のファイル移動時に役立ちます。
🧠 mvとcpの違いを整理しておこう！
| 操作 | mv（move） | cp（copy） |
|---|---|---|
| 動作 | ファイルを移動・名前変更する | ファイルを複製する |
| 元のファイル | 移動後は消える | コピー後も残る |
| 処理速度 | 速い（リンクの更新のみ） | 遅い（データを再書き込み） |
| 主な用途 | ファイル整理・リネーム | バックアップや複製作成 |
💡 ポイント
コピーは「残す」、ムーブは「動かす」イメージで覚えると分かりやすいです。
🧾 出力例
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls
file1.txt Documents/
[suzuki@AlmaLinux ~]$ mv -v file1.txt Documents/
'file1.txt' -> 'Documents/file1.txt'
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls
Documents/
[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls Documents/
file1.txt📘 解説
file1.txt は確かに Documents/ に移動され、ホームディレクトリからは消えています。
mvコマンドが“移動”操作であることがよく分かります。
✅ まとめ：mvコマンドでスッキリ整理！
mvコマンドは、ファイルやディレクトリを移動・名前変更できる便利なコマンドです。
ファイル整理やバックアップ運用の場面で頻繁に使われます。
💡 覚えておきたいポイント
- mv 移動元 移動先 のシンプルな書式
- -i で上書き確認、-u で更新時のみ移動
- -v で詳細表示、-b でバックアップも可能
- “コピーではなく移動”なので処理が高速
しっかり使いこなせば、Linuxでのファイル管理が一段とスムーズになりますよ！