新Linux入門|テスト用ファイルを作ろう!ddコマンドでランダムデータを簡単生成

 開発やサーバー検証をしていると、「指定サイズのテストファイルがほしい」「ランダムデータでディスクの動作を確認したい」ということがありますよね。
そんなときに大活躍するのが ddコマンド です。

このコマンドを使えば、たった一行で好きなサイズのダミーファイルを簡単に作成できます。
 ここでは、AlmaLinux 9.6を使って、ランダムデータを生成するddコマンドの使い方をやさしく解説します。

🎲ddコマンドとは?

dd コマンドは、データのコピーや変換、ブロック単位の書き込みを行うための強力なツールです。
特に、ディスクやファイルの入出力を扱う際によく使われます。

項目内容
コマンド名dd
主な用途データのコピー・変換・ランダムデータ生成
特徴バイト単位・ブロック単位での正確なデータ操作が可能
よく使う場面ダミーファイル作成、ディスク性能テスト、バックアップ、ISO書き込みなど

💡 ポイント
dd は "data duplicator"(データ複製ツール)を意味します。
入力元(if)からデータを読み込み、出力先(of)に指定サイズで書き込むという仕組みです。

⚙️ ddコマンドの書式

dd if=入力元 of=出力先 bs=ブロックサイズ count=個数
パラメータ意味
ifinput file(入力元)を指定。例:/dev/urandom(ランダムデータ)
ofoutput file(出力先)を指定。作成するファイル名など
bsblock size。1回の読み書きで扱うサイズ(例:1M、512Kなど)
count読み書き回数を指定(bs×count がファイルサイズになる)

💬 例

[suzuki@AlmaLinux ~]$ dd if=/dev/urandom of=testfile bs=1M count=1

この例では、1MBのランダムデータファイルを作成しています。

🛠️ ddコマンドの主なオプションと説明

オプション説明
if=/dev/urandom入力元としてランダムデータを使用(疑似乱数生成器)
of=[ファイル名]出力先ファイルを指定(新規作成または上書き)
bs=[サイズ]1回あたりの読み書きサイズを指定(例:1M = 1MB)
count=[回数]ブロックの読み書き回数を指定(bs×count = ファイルサイズ)
status=progressコピー・書き込みの進捗を表示(便利!)

💡 ポイント
status=progress を付けると、処理中に進行状況がリアルタイム表示されるのでおすすめです。

🧾 使用例と出力解説

① 1MBのテストファイルを作成

[suzuki@AlmaLinux ~]$ dd if=/dev/urandom of=testfile bs=1M count=1 status=progress
1048576 bytes (1.0 MB, 1.0 MiB) copied, 0.005312 s, 197 MB/s
1+0 records in
1+0 records out
1048576 bytes (1.0 MB, 1.0 MiB) copied, 0.005462 s, 192 MB/s

📘 解説

  • /dev/urandom から1MB分のデータを読み込み
  • testfile というファイルを作成
  • 出力結果から「1MBの書き込みが成功」したことが確認できます

② 1GBの大きなランダムデータを生成

[suzuki@AlmaLinux ~]$ dd if=/dev/urandom of=testfile bs=1M count=1024 status=progress

📘 解説

  • 1MBを1024回書き込み → 合計1GBのファイルを作成
  • SSDやHDDの書き込み速度テストに使われることもあります。

③ 進行状況を見ながらファイル生成

[suzuki@AlmaLinux ~]$ dd if=/dev/urandom of=testdata bs=512K count=2000 status=progress
1024000000 bytes (1.0 GB, 976 MiB) copied, 5.00232 s, 205 MB/s

📘 解説
status=progress によりリアルタイムで進行状況を確認できます。
大きなファイルを作るときは、処理が止まっていないかを確認できるので便利です。

🔍 ファイルのサイズ確認

[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls -lh testfile
-rw-r--r-- 1 suzuki suzuki 1.0M 10月 28 22:30 testfile

📘 解説
ls -lh でサイズを人間に読みやすい単位(K/M/G)で確認できます。
生成したファイルが指定サイズになっていることをチェックしましょう。

🧠 ddコマンドでよく使う入力元デバイス

入力デバイス内容用途例
/dev/zeroすべてゼロのデータを出力空データの作成・初期化
/dev/urandom擬似乱数データを出力テストデータ・暗号用途
/dev/random真の乱数(ブロックされる場合あり)セキュア用途
/dev/sda実ディスクデバイスバックアップ・書き込み試験

💡 違いの覚え方

  • /dev/zero → まっ白な紙
  • /dev/urandom → ランダム模様の紙

⚠️ 注意点:ddコマンドは非常に強力!

dd コマンドはディスク全体を上書きすることも可能な危険なツールです。
誤ってデバイス(例:/dev/sda)を指定すると、システム全体が破壊されることもあります。

安全対策内容
ファイル名を明示的に指定例:of=testfile と書く
デバイス名を間違えない/dev/sda などは触らない
smallサイズでテストしてから実行まずは count=1 で確認
sudo実行時は特に注意root権限では取り返しがつかない

✅ まとめ:ddコマンドで自在にテストファイルを作ろう!

dd コマンドを使えば、任意のサイズのダミーファイルやランダムデータファイルを簡単に作れます。
システムのテストや性能評価、アプリの動作確認など幅広く活用できます。

💡 覚えておきたいポイント

  • 基本構文:dd if=入力元 of=出力先 bs=ブロックサイズ count=回数
  • /dev/urandom を使えばランダムデータを生成
  • status=progress で進行表示
  • 誤ったデバイス指定には注意!

安全に使いこなして、Linuxのファイル操作スキルをアップさせましょう。