新Linux入門|IPアドレスとサブネットマスクの正しい設定と運用

 今回は、ネットワーク通信の“住所”とも言える IPアドレス と、それを区切る サブネットマスク について学びましょう。
 これらは、ネットワークの設計・運用の基礎中の基礎であり、正しく理解して設定することで通信トラブルを防ぎ、効率的で安全なネットワークを構築できます。

🌐 IPアドレスとは

 IPアドレス(Internet Protocol Address) は、ネットワーク上の機器(コンピュータ、ルータ、サーバなど)を識別するための「番号」です。
いわば「インターネット上の住所」であり、通信を行うために必要不可欠な存在です。

IPアドレスの種類と構造

種類ビット数表記形式特徴
IPv432ビット10進数 × 4(例:192.168.1.10)192.168.1.10世界中で広く使用されるが、枯渇問題あり
IPv6128ビット16進数 × 8(例:2001:db8::1)2001:db8::1広大なアドレス空間を持ち、次世代規格

💬ポイント
IPv4アドレスは「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれています。
 ネットワーク部は“どのネットワークに属しているか”を示し、ホスト部は“そのネットワーク内のどの機器か”を示します。

🧮 サブネットマスクとは

 サブネットマスク(Subnet Mask) は、IPアドレスのうちどこまでが「ネットワーク部」で、どこからが「ホスト部」かを区別するための情報です。

サブネットマスクの例

サブネットマスクビット長(CIDR)ネットワーク部ホスト部利用可能ホスト数
255.0.0.0/88ビット24ビット約1,677万台
255.255.0.0/1616ビット16ビット約6万5千台
255.255.255.0/2424ビット8ビット254台

💬ポイント
例えば、「192.168.1.10/24」はネットワーク部が「192.168.1」で、ホスト部が「10」です。
この場合、同じ「192.168.1.」から始まるアドレス同士が同じネットワークに属します。

🔢 CIDR表記法(スラッシュ表記)

 従来のサブネットマスク表記(255.255.255.0 など)をより簡潔に表す方法が CIDR(Classless Inter-Domain Routing) 表記です。

表記例意味サブネットマスク
192.168.1.0/24ネットワーク部が24ビット255.255.255.0
10.0.0.0/8ネットワーク部が8ビット255.0.0.0
172.16.0.0/16ネットワーク部が16ビット255.255.0.0

💡ポイント
 CIDR表記を理解すると、ルータ設定やクラウド環境(AWS・Azureなど)でもスムーズにネットワークを扱えるようになります。

🧭 IPアドレスとサブネットマスクの関係

 IPアドレスとサブネットマスクを組み合わせることで、ネットワークアドレス・ホストアドレス・ブロードキャストアドレス を特定できます。

項目例(192.168.1.10/24)説明
ネットワークアドレス192.168.1.0ネットワーク全体を示す
ホスト範囲192.168.1.1 ~ 192.168.1.254実際に使える端末のアドレス範囲
ブロードキャストアドレス192.168.1.255ネットワーク内の全端末に送信される特別なアドレス

💬ポイント
 サブネットマスクを変えることで、ネットワークを細かく分割(サブネット化)して、部署ごと・用途ごとに分けることができます。

🧰 AlmaLinuxでのIPアドレス設定確認コマンド

ネットワーク設定を確認・変更する際には、ipコマンドnmcliコマンド を使用します。

ipコマンド

コマンド書式

ip addr show

説明
ネットワークインターフェースのアドレス情報(IPv4/IPv6)を確認するコマンドです。

主なオプション

オプション説明
addr showIPアドレス情報を表示
link showインターフェース情報を表示
route showルーティングテーブルを表示

使用例

[suzuki@AlmaLinux ~]$ ip addr show
2: enp0s3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500
    inet 192.168.1.10/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic enp1s0
       valid_lft 86394sec preferred_lft 86394sec

💡ポイント
inet に続く 192.168.1.10/24 が現在のIPアドレスとCIDR形式です。

nmcliコマンド

コマンド書式

nmcli connection show
nmcli connection modify <接続名> ipv4.addresses <アドレス/プレフィックス>
nmcli connection up <接続名>

説明
NetworkManagerを使ってネットワーク設定を管理するコマンドです。
GUI操作ができないサーバー環境でも安全に設定変更できます。

主なオプション

オプション説明
connection show登録されている接続設定を一覧表示
connection modify接続設定を変更
connection up設定を有効化(再接続)

使用例

[root@AlmaLinux ~]# nmcli connection modify enp0s3 ipv4.addresses 192.168.1.20/24
[root@AlmaLinux ~]# nmcli connection modify enp0s3 ipv4.gateway 192.168.1.1
[root@AlmaLinux ~]# nmcli connection modify enp0s3 ipv4.dns 8.8.8.8
[root@AlmaLinux ~]# nmcli connection up enp0s3

💬ポイント
このように設定することで、IPアドレス・ゲートウェイ・DNSを正しく適用できます。

🧮 サブネット化の考え方

ネットワークを効率的に管理するために、1つのネットワークを小さな単位に分けることを サブネット化(Subnetting) と呼びます。

ネットワークアドレスサブネットマスクサブネット数1サブネットあたりのホスト数
192.168.1.0255.255.255.0 (/24)1254
192.168.1.0255.255.255.128 (/25)2126
192.168.1.0255.255.255.192 (/26)462

💡ポイント
サブネットを分けることで、トラフィックの分散やセキュリティ向上が期待できます。
たとえば、開発チーム用・営業チーム用などに分けると、不要な通信を防ぐことができます。

🌈 まとめ

  • IPアドレスは、ネットワーク上の機器を識別するための“住所”。
  • サブネットマスクは、ネットワーク部とホスト部を区切る“境界線”。
  • CIDR表記を理解すれば、効率的にネットワークを設計できる。
  • AlmaLinuxでは、ip や nmcli コマンドを使って設定を確認・変更できる。
  • 正しい設定とサブネット化により、安定した通信と安全な運用が実現できる。

🌟 ネットワークの世界では「正しいアドレス設計」がすべての基盤です。
AlmaLinuxでIP設定を実践しながら、仕組みをしっかり身につけていきましょう!