
LinuxC入門|LinuCとLPICとの違い
LinuCとLPICは、どちらもLinuxに関する知識やスキルを証明できる資格ですが、実はそれぞれにしっかりとした「個性」があります。
名前が似ているので迷ってしまいがちですが、成り立ちや考え方、想定している利用シーンには違いがあります。
まず大きな違いを一言で表すと、
LinuCは「日本のIT現場を意識した資格」、
LPICは「世界共通の基準で設計された資格」
と言えるでしょう。
どちらが良い・悪いということはなく、自分がどんなキャリアを歩みたいかによって、向いている資格が変わってきます。そのため、違いをきちんと理解しておくことがとても大切です。
最初に、LinuCとLPICの全体像を分かりやすく表にまとめてみましょう。
| 項目 | LinuC | LPIC |
|---|---|---|
| 対象市場 | 日本国内 | グローバル |
| 運営団体 | LPI-Japan | LPI(Linux Professional Institute) |
| 本部所在地 | 日本 | カナダ |
| 設立年 | 2018年 | 2001年 |
| 出題傾向 | 日本のIT現場を意識 | 国際的な標準 |
| 日本語表現 | 自然で読みやすい | 翻訳特有の表現がある場合あり |
| クラウド・コンテナ | 早い段階から重視 | 主に上位レベルで扱う |
この表を見ると、LinuCが日本のIT現場に寄り添って作られている資格であることが分かります。一方、LPICは2001年から続く歴史ある資格で、世界中のLinuxエンジニアに利用されてきました。
LinuCを運営しているのは、LPI-Japanという日本の団体です。
もともと日本でもLPICは広く使われていましたが、時代の変化とともに、日本のIT現場で求められる技術とのズレが少しずつ出てきました。
たとえば、現在の日本のIT現場では、次のような技術が当たり前のように使われています。
- 仮想マシンを前提としたサーバ運用
- クラウド環境でのLinux利用
- Dockerなどのコンテナ技術
こうした状況を受けて、「日本市場により合ったLinux資格が必要なのでは?」という考えから誕生したのがLinuCです。そのため、LinuCでは比較的早いレベルから、仮想化やコンテナに関する内容が試験範囲に含まれています。
一方、LPICは世界共通で通用するLinux技術の体系化を重視しています。
Linuxの基本的な仕組みや、伝統的な運用方法をしっかり押さえたい方に向いている資格です。国際的なプロジェクトや外資系企業を視野に入れている方には、大きな強みになります。
次に、意外と重要なポイントである「再受験ポリシー」について見てみましょう。
| 資格 | 不合格時の再受験ルール |
|---|---|
| LinuC | 2回目は7日目以降(土日含む) |
| LPIC | 2回目は7日目以降(土日含む)、3回目以降は30日目以降 |
LinuCは再受験までの制限が比較的ゆるやかなので、学習のペースを保ちやすいのが特徴です。
一方、LPICは3回目以降は待機期間が長くなるため、しっかり準備して臨むことが求められます。
ここで、資格学習でも実務でもよく使うLinuxコマンドを、AlmaLinux 9.6の環境で確認してみましょう。
資格が違っても、Linuxの基本操作は共通です。
一般ユーザ suzuki でログインしている場合の例です。
[suzuki@AlmaLinux ~]$ pwdpwd は、現在作業しているディレクトリを表示するコマンドです。
「今どこで作業しているんだっけ?」というときに、とても役立ちます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書式 | pwd |
| 役割 | 現在の作業ディレクトリを表示 |
| 主な用途 | 作業場所の確認 |
次は、管理作業でよく使われる root ユーザでの操作例です。
[root@AlmaLinux ~]# systemctl status sshdsystemctl は、Linuxのサービスを管理するためのコマンドです。
サービスが起動しているかどうかを確認したり、起動・停止を行ったりできます。
| サブコマンド | 説明 |
|---|---|
| status | サービスの状態を確認 |
| start | サービスを起動 |
| stop | サービスを停止 |
| restart | サービスを再起動 |
| enable | 自動起動を有効化 |
| disable | 自動起動を無効化 |
[root@AlmaLinux ~]# systemctl enable sshdこのような操作は、LinuCでもLPICでも共通して重要なポイントになります。
LinuCとLPICの違いは、「どんな視点でLinuxを学ぶか」にあります。
LinuCは今の日本のIT現場で役立つ技術を重視し、LPICはLinuxを幅広く体系的に理解することを大切にしています。
どちらを選ぶか迷ったときは、次の考え方がおすすめです。
- 日本国内での就職・転職を目指す方
→ 日本語が分かりやすく、国内評価の高い LinuC - 海外案件や外資系企業も視野に入れている方
→ 国際的な認知度の高い LPIC
どちらの資格を選んでも、Linuxの基礎力は確実に身につきます。
大切なのは、「自分の目指すキャリアに合っているかどうか」です。
焦らず、コマンドを実際に触りながら、少しずつLinuxに慣れていきましょう。
その積み重ねが、資格取得にも実務にも、きっと役立ってくれます 😊
