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Linux基礎:エイリアスと引用符

エイリアスと引用符

 Linux のシェルには、作業を効率化するための便利な仕組みが数多く用意されています。その中でも特に役立つのが エイリアス(alias)引用符(quotation) です。

 エイリアスを使うと、長いコマンドやオプションを簡単に呼び出せるようになり、入力の手間を減らせます。一方、引用符はシェル上で文字列を扱う際に重要な役割を果たし、文字列の区切りや変数展開の有無を制御するために使われます。

ここでは、エイリアスと引用符の使いを体系的に解説します。

1.エイリアスの基本

1.1. エイリアスとは

エイリアスは、コマンドに 別名(ショートカット) をつけて利用できる仕組みです。

エイリアスを利用することで、以下のことが可能になります。

  • よく使うコマンドに短縮名を設定
  • オプションを含めて1つのコマンドにまとめる。
  • 複数のコマンドを1つに連結して呼び出す。

1.2. alias コマンドの書式とオプション

エイリアスは alias コマンドで設定します。

書式

alias [別名]='[コマンド]'

主な使い方一覧

コマンド説明
alias登録済みエイリアスの一覧を表示
alias ll='ls -l'新しいエイリアスを設定
unalias ll指定したエイリアスを削除

1.3. エイリアスの設定例

【例1】シンプルなエイリアス設定

[user@rocky9 ~]$ alias la='ls -la'
[user@rocky9 ~]$ la
合計 377364
drwx------. 19 user     user            4096  9月  3 01:01 .
drwxr-xr-x.  7 root     root              74  8月 31 16:19 ..
-rw-------.  1 user     user           11039  9月  1 23:20 .bash_history
-rw-r--r--.  1 user     user              18  4月 30  2024 .bash_logout
(以下省略)

【例2】パイプと組み合わせたエイリアス

[user@rocky9 ~]$ alias lslog='ls -l /var/log | less'
[user@rocky9 ~]$ lslog

/var/log ディレクトリの内容が less でスクロール表示されます。

1.4. エイリアスの管理

引数なしで alias を実行すると、設定済みエイリアス一覧を確認できます。

【例3】エイリアス一覧の表示

[user@rocky9 ~]$ alias
alias egrep='egrep --color=auto'
alias fgrep='fgrep --color=auto'
alias grep='grep --color=auto'
alias l.='ls -d .* --color=auto'
alias la='ls -la'
(以下省略)

 なお、エイリアスはシェル終了とともに消えます。永続的に利用したい場合は、~/.bashrc に追記しておきましょう。

2.引用符の基本

2.1. なぜ引用符が必要か

 シェルでは スペース特殊文字 が特別な意味を持つため、そのまま入力するとコマンドや引数が誤解釈されることがあります。この問題を防ぐために文字列を 引用符 で囲みます。

【例4】引用符を付けなかった場合

[user@rocky9 ~]$ alias la=ls -la
bash: alias: -la: 見つかりません

→ スペースのせいで la=ls-la に分割され、エラーになります。

2.2. エスケープで代用する方法

スペースを特別扱いさせないために バックスラッシュ(\) を使う方法もあります。

【例5】エスケープの利用

[user@rocky9 ~]$ alias la=ls\ -la

このように \ を使うことで、スペースを通常の文字として扱わせられます。

2.3. シングルクォーテーションとダブルクォーテーション

 引用符には シングルクォーテーション(')ダブルクォーテーション(") の2種類があります。違いは「変数展開の有無」です。

【例6】シングルとダブルの違い

[user@rocky9 ~]$ name=tanaka
[user@rocky9 ~]$ echo 'Hello, $name.'
Hello, $name.      ← 変数は展開されない

[user@rocky9 ~]$ echo "Hello, $name."
Hello, tanaka      ← 変数が展開される

まとめると

引用符特徴
' '(シングル)変数展開されない。文字列をそのまま扱う。
" "(ダブル)変数展開される。特殊文字が解釈される。

3.実用的な利用場面

3.1. 複雑な文字列を扱う場合

ログメッセージなど、スペースを含む文字列を出力する際に引用符は必須です。

[user@rocky9 ~]$ echo "Error occurred at $(date)"
Error occurred at 2025年  9月  3日 水曜日 22:55:19 JST

3.2. エイリアスと引用符の組み合わせ

エイリアスを設定する際、コマンド部分を必ず ' '" " で囲むのが基本です。

[user@rocky9 ~]$ alias backup='tar -czvf images.tar.gz images'

まとめ

本記事では、Linux シェルで頻繁に利用する エイリアス引用符 について解説しました。

  • エイリアス は、よく使うコマンドを短縮し、効率化できる。
  • alias コマンド で設定し、unalias で削除できる。
  • 引用符 は、文字列を正しく扱うために必須。
  • シングルクォーテーション は文字列をそのまま扱い、ダブルクォーテーション は変数展開を行う。
  • エスケープ文字(\) を使えば引用符の代替も可能

これらを組み合わせれば、シェル操作の効率と柔軟性が大幅に向上します。