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Linux基礎:ユーザーの作成と削除

ユーザーの作成と削除

 Linuxシステムを複数人で利用する場合、それぞれの利用者に対して ユーザーアカウント を作成し、必要に応じて削除する作業は管理者にとって欠かせない基本業務です。ユーザーアカウントにはユーザー名、ユーザーID (UID)、パスワード、ホームディレクトリ、ログインシェルといった情報が紐づけられています。これらを正しく管理することで、安全で効率的なシステム運用が可能になります。

 本記事では、ユーザーアカウントを作成する方法、パスワード設定、ユーザー情報の確認、そしてユーザー削除の方法について詳しく解説します。

1.ユーザーの作成

1.1. useraddコマンド

ユーザーを新規作成するには useraddコマンド を利用します。このコマンドはroot権限が必要です。

書式

useradd [オプション] ユーザー名

主なオプションは以下の通りです。

オプション説明
-c コメントユーザーに説明文(フルネームなど)を付与する。
-d ディレクトリホームディレクトリを指定する。
-g グループプライマリグループを指定する。
-G グループサブグループを指定する(カンマ区切りで複数可)。
-s シェルログインシェルを指定する。
-u UIDユーザーIDを指定する。
-mホームディレクトリを自動作成する。

1.2. 実行例: useraddによるユーザー作成

以下の例では、新しく suzuki ユーザーを作成します。

【例1】ユーザーの作成

[user@rocky9 ~]$ su -
パスワード:
[root@rocky9 ~]# useradd suzuki
[root@rocky9 ~]# ls /home
suzuki  tanaka  user

/home/suzuki というホームディレクトリが自動作成されました。

1.3. パスワードの設定

 作成直後のユーザーにはパスワードが設定されていないため、ログインできません。passwd コマンドでパスワードを設定します。

書式

passwd [ユーザー名]

【例2】suzukiユーザーにパスワードを設定

[root@rocky9 ~]# passwd suzuki
ユーザー suzuki のパスワードを変更。
新しい パスワード:                     ◀ パスワードを入力
正しくないパスワード: このパスワードは辞書チェックに失敗しました - 辞書の単語に基づいています
新しい パスワードを再入力してください:   ◀ 再入力
passwd: すべての認証トークンが正しく更新できました。

1.4. 一般ユーザーによるパスワード変更

一般ユーザー自身も、自分のパスワードを変更できます。

【例3】userユーザーがパスワードを変更

現在のパスワード「password」から「w0rdp@55」に変更します。

[root@rocky9 ~]# exit
ログアウト
[user@rocky9 ~]$ passwd
ユーザー user のパスワードを変更。
Current password: 
新しい パスワード:
新しい パスワードを再入力してください:
passwd: すべての認証トークンが正しく更新できました。

→ 一般ユーザーの場合は、現在のパスワードを知っていないと変更できません。

userのパスワードを元に戻します。

パスワード「w0rdp@55」から「password」に変更します。

単純なパスワードにするため、rootユーザーに切り替えてから、コマンドを実行します。

[user@rocky9 ~]$ su -
パスワード:
[root@rocky9 ~]# passwd user
ユーザー user のパスワードを変更。
新しい パスワード:
正しくないパスワード: このパスワードは辞書チェックに失敗しました - 辞書の単語に基づいています
新しい パスワードを再入力してください:
passwd: すべての認証トークンが正しく更新できました。
[root@rocky9 ~]# exit
ログアウト
[user@rocky9 ~]$

2.ユーザー情報の確認

2.1. /etc/passwdファイル

 ユーザー情報は /etc/passwd に記録されます。1行につき1ユーザーで、次の7フィールドで構成されます。

ユーザー名:パスワード欄:UID:GID:コメント:ホームディレクトリ:ログインシェル

【例4】/etc/passwd の一部抜粋

root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
user:x:1000:1000:Linux User:/home/user:/bin/bash
tanaka:x:1001:1001::/home/tanaka:/bin/bash
suzuki:x:1002:1002::/home/suzuki:/bin/bash
  • UID 0 は root
  • UID 1000 以上は一般ユーザー
  • パスワードは /etc/shadow に保存されるため、ここには「x」とだけ記載されます

2.2. idコマンドで確認

ユーザーのUIDや所属グループは idコマンド で確認できます。

【例5】tanakaユーザーの情報を確認

[user@rocky9 ~]$ id tanaka
uid=1001(tanaka) gid=1001(tanaka) groups=1001(tanaka)

3.ユーザーの削除

3.1. userdelコマンド

ユーザーを削除するには userdelコマンド を使います。root権限が必要です。

書式

userdel [-r] ユーザー名
オプション説明
(なし)ユーザー情報だけを削除。ホームディレクトリは残る。
-rユーザー情報とホームディレクトリを同時に削除する。

3.2. 実行例

【例6】ユーザー yamada を削除(ホームディレクトリは残す)

まず、ユーザー yamada を作成しておきます。

[user@rocky9 ~]$ su -
パスワード:
[root@rocky9 ~]# useradd yamada
[root@rocky9 ~]# passwd yamada
ユーザー yamada のパスワードを変更。
新しい パスワード:
正しくないパスワード: このパスワードは辞書チェックに失敗しました - 辞書の単語に基づいています
新しい パスワードを再入力してください:
passwd: すべての認証トークンが正しく更新できました。
[root@rocky9 ~]# ls /home
suzuki  tanaka  user  yamada

ユーザー yamada を削除します。

[root@rocky9 ~]# userdel yamada
[root@rocky9 ~]# ls /home
suzuki  tanaka  user  yamada

→ ユーザー yamada のホームディレクトリが残っている。

【例7】ユーザー suzuki をホームディレクトリごと削除

[root@rocky9 ~]# userdel -r suzuki
[root@rocky9 ~]# ls /home
tanaka  user  yamada

/home/suzuki も同時に削除されます。

まとめ

  • ユーザーの作成は useradd コマンド、パスワード設定は passwd コマンドを利用する。
  • ユーザー情報は /etc/passwd ファイルで管理されている。
  • ユーザー削除は userdel コマンド。-r オプションでホームディレクトリも同時に削除できる。
  • 一般ユーザー自身は passwd コマンドで自分のパスワードを変更できる。

これらの操作はLinuxシステムの基本管理作業の一つであり、システム運用の第一歩となります。