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Linux:コマンドのオプション

 Linuxのコマンドを効果的に活用するためには、コマンドラインオプションの指定方法を理解することが重要です。オプションを指定することで、コマンドの動作を柔軟に変更し、必要な情報を取得したり、表示形式を調整したりすることができます。ここでは、コマンドのオプション指定の基本から、具体的な使用例までを解説します。

オプション指定の基本

 オプションはコマンド名の後ろにスペース区切りで指定します。一般的に、オプションはハイフン(-)で始まり、その後に英数字1文字が続きます。複数のオプションを指定する場合は、以下のように指定します。

  • 別々にスペース区切りで記述
ls -a -F
  • ハイフンの後にまとめて記述
ls -aF

どちらの方法でも同じ結果が得られます。

使用例
user01@ubuntu:~$ ls -aF
./
../
.bash_history
...(省略)...
ミュージック/
公開/

オプションとコマンド引数の同時指定

 コマンドの引数オプションを同時に指定する場合は、先にオプションを書き、その後に引数を書きます。

使用例

 以下の例では、-aオプションと-Fオプションを指定し、さらに/(ルートディレクトリ)を引数として指定しています。

user01@ubuntu:~$ ls -a -F /
./                  lib64@              srv/
../                 lost+found/         swap.img
bin@                media/              sys/
boot/               mnt/                tmp/
cdrom/              opt/                usr/
dev/                proc/               var/
etc/                root/               vmlinuz
home/               run/                vmlinuz.old
initrd.img          sbin@               
initrd.img.old      snap/               
lib@                srv/

引数を取るオプション

 一部のオプションは、さらに引数を取ることがあります。例えば、lsコマンドの-wオプションは表示の横幅を指定するオプションで、数値を引数として受け取ります。

使用例
user01@ubuntu:~$ ls -w 40
snap          ビデオ
ダウンロード  ピクチャ
テンプレート  ミュージック
デスクトップ  公開
ドキュメント

 この例では、表示の横幅を40桁に指定しています。オプションとその引数の間のスペースは省略可能であり、以下のように記述することもできます。

user01@ubuntu:~$ ls -w40
snap          ビデオ
ダウンロード  ピクチャ
テンプレート  ミュージック
デスクトップ  公開
ドキュメント

ロングオプション

 通常、オプションは「ハイフン + 英数字1文字」で指定しますが、「--」(ハイフン2つ)で始まるロングオプションも存在します。ロングオプションは単語で構成されているため、オプションの機能が直感的に理解しやすくなっています。

使用例

 --quote-nameオプションを使用すると、ファイル名がダブルクオーテーションで囲まれて表示されます。

user01@ubuntu:~$ ls --quote-name
"snap"          "デスクトップ"  "ピクチャ"
"ダウンロード"  "ドキュメント"  "ミュージック"
"テンプレート"  "ビデオ"        "公開"
ロングオプションの省略

 ロングオプションは、一意に識別できる範囲まで文字列を省略することが可能です。例えば、--quote-nameは他に似たオプションがないため、--quoteとだけ指定しても同じ効果があります。

user01@ubuntu:~$ ls --quote
"snap"          "デスクトップ"  "ピクチャ"
"ダウンロード"  "ドキュメント"  "ミュージック"
"テンプレート"  "ビデオ"        "公開"

オプションの別名

 一部のオプションには、短い形式とロングオプション形式の両方の指定方法が用意されています。例えば、-wオプションはロングオプションとして--widthと指定することもできます。

使用例
user01@ubuntu:~$ ls --width 40
snap          ビデオ
ダウンロード  ピクチャ
テンプレート  ミュージック
デスクトップ  公開
ドキュメント

また、オプションの引数を指定する際、等号(=)を用いることもできます。

user01@ubuntu:~$ ls --width=40
snap          ビデオ
ダウンロード  ピクチャ
テンプレート  ミュージック
デスクトップ  公開
ドキュメント

まとめ

  • オプション指定の基本: コマンド名の後ろにスペース区切りでハイフン(-)と英数字1文字で指定します。複数のオプションはまとめて指定可能です。
  • 引数とオプションの同時指定: 先にオプションを記述し、その後に引数(ファイル名やディレクトリ名など)を指定します。
  • 引数を取るオプション: 一部のオプションは追加の引数を必要とします。オプションと引数の間のスペースは省略可能です。
  • ロングオプション: ハイフン2つ(--)で始まるオプションで、機能がわかりやすい名前になっています。一意に識別できる範囲まで省略可能です。
  • オプションの別名: 短縮形オプションとロングオプションの両方が用意されている場合があります。

 コマンドのオプションを正しく理解し活用することで、Linuxでの作業効率を大幅に向上させることができます。各コマンドのマニュアル(manコマンド)を参照し、オプションの詳細を確認する習慣をつけましょう。