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ディレクトリを作成する:mkdirコマンド

 Linuxでのファイル操作において、ディレクトリ(フォルダ)の作成は非常に基本的な操作の一つです。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で行うファイル操作に慣れている方には、コマンドラインでディレクトリを作成することが少し煩雑に感じられるかもしれません。しかし、mkdirコマンドを利用すれば、効率的にディレクトリを作成し、特に複雑な階層構造のディレクトリを簡単に管理できるようになります。ここでは、Linuxを使う上で基本となるコマンドの一つ、mkdirコマンドについて解説します。

mkdirコマンドとは

 mkdirは、”Make Directory”の略で、Linuxシステム上で新しいディレクトリを作成するためのコマンドです。このコマンドを使えば、GUIを使わずに直接コマンドライン上でディレクトリの管理が可能です。また、オプションを活用することで、複数階層のディレクトリを一度に作成するなど、より高度な操作も行うことができます。

mkdirコマンドの基本

【書式】
mkdir [オプション] ディレクトリ名

機能説明
コマンド名mkdir
用途新しいディレクトリを作成する。
基本書式mkdir [オプション] ディレクトリ名
主なオプション-p: 親ディレクトリが存在しない場合も一緒に作成する。
エラー例同名のファイルやディレクトリが既に存在するとエラーになる。
mkdirコマンドの基本

ディレクトリの作成例

 これからさまざまなファイル操作の練習をしていきますが、ファイルが散らからないようにホームディレクトリ内に練習用のディレクトリを作成します。ここでは、workという名前のディレクトリを作成します。

user01@ubuntu:~$ mkdir work

ディレクトリ作成の確認

 ディレクトリが正しく作成できたかどうかを確認するために、lsコマンドにファイル種別を表示する-Fオプションを付けて実行します。

work/と表示されていれば、ディレクトリの作成に成功しています。

user01@ubuntu:~$ ls -F
snap/  ダウンロード/  デスクトップ/  ビデオ/    ミュージック/
work/  テンプレート/  ドキュメント/  ピクチャ/  公開/

補足:Ubuntuを日本語設定でインストールした場合、ホームディレクトリ内にデスクトップドキュメントなどのディレクトリが初期状態で存在します。そのため、lsコマンドの結果には他のディレクトリも表示されることがあります。

同名のディレクトリやファイルが存在する場合

 既に同じ名前のディレクトリやファイルが存在する場合、mkdirコマンドはエラーを表示してディレクトリの作成に失敗します。

エラー例
user01@ubuntu:~$ mkdir work
mkdir: ディレクトリ 'work' を作成できません: ファイルが存在します

原因workという名前のディレクトリまたはファイルが既に存在するため。

ポイント:Linuxでは、ディレクトリもファイルの一種として扱われます。そのため、同じ名前のファイルやディレクトリを新たに作成することはできません。

作業ディレクトリへの移動

これからファイル操作の練習を行うため、先ほど作成したworkディレクトリに移動します。

user01@ubuntu:~$ cd work

深いディレクトリをまとめて作成する

 複数階層のディレクトリを一度に作成したい場合があります。しかし、途中のディレクトリが存在しない場合、mkdirコマンドはエラーとなります。

エラー例
user01@ubuntu:~/work$ mkdir data/2024/09
mkdir: ディレクトリ 'data/2024/09' を作成できません: そのようなファイルやディレクトリはありません

原因data2024ディレクトリが存在しないため、09ディレクトリを作成できない。

-pオプションの使用

-pオプションを指定することで、存在しない親ディレクトリも含めて一度に作成できます。

これにより、data202409の各ディレクトリが順に作成されます。

user01@ubuntu:~/work$ mkdir -p data/2024/09

不要なディレクトリの削除

不要になったディレクトリを削除します。

user01@ubuntu:~/work$ rm -r data

まとめ

  • mkdirコマンドは、新しいディレクトリを作成する基本的なコマンドです。
  • 基本書式mkdir [オプション] ディレクトリ名
  • エラー対処:同名のファイルやディレクトリが存在する場合、名前を変更するか既存のものを削除します。
  • -pオプション:深いディレクトリ階層を一度に作成する際に使用します。

 これらの知識を活用して、効率的にディレクトリを管理し、ファイル操作のスキルを向上させましょう。