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Linuxのターミナルエミュレータを使用したTelnet接続
ターミナルエミュレータを使用してLinuxサーバにTelnet接続を行う方法について詳しく解説します。Windows環境からLinuxサーバに接続する際、ターミナルエミュレータを利用すると便利です。なお、WindowsのコマンドプロンプトやPowerShellでもTelnet接続は可能ですが、デフォルトではTelnetクライアントが無効になっており、追加の設定が必要です。ここでは、ターミナルエミュレータ(例:Tera Term)を使用して、LinuxサーバへのTelnet接続を行う手順を説明します。
ターミナルエミュレータを使用したTelnet接続の手順
1.ネットワークアダプターの割り当てを「ブリッジアダプター」に変更する。
まず、仮想マシン上のLinuxをシャットダウンします。その後、以下の手順でネットワーク設定を変更します。
- VirtualBoxマネージャーを起動し、対象の仮想マシンを選択します。
- 「設定」ボタンをクリックします。
- 左側のメニューから「ネットワーク」を選択します。
- アダプター1の「割り当て」を「ブリッジアダプター」に変更します。
- 「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。
ブリッジアダプターを使用することで、仮想マシンがホストOSと同じネットワーク内のIPアドレスを取得し、他のデバイスからアクセス可能になります。
2.Linuxを起動してターミナルを開く。
ネットワーク設定を変更した後、仮想マシン上のLinuxを起動します。ログインしたら、ターミナルを起動します。
3.IPアドレスを確認する。
LinuxサーバのIPアドレスを確認するため、以下のコマンドを実行します。
・「ip addr show
」コマンドを実行します。
user01@ubuntu:~$ ip addr show
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
2: enp0s3: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
link/ether 08:00:27:b3:38:11 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 192.168.1.227/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute enp0s3
valid_lft 7103sec preferred_lft 7103sec
inet6 fe80::a00:27ff:feb3:3811/64 scope link
valid_lft forever preferred_lft forever
(省略)
上記の出力から、enp0s3
インターフェースに割り当てられたIPアドレスが192.168.1.227
であることが分かります。このIPアドレスをメモしておきます。
4.ターミナルエミュレータでLinuxサーバに接続する。
ホストOS(ここではWindows 11)上で、ターミナルエミュレータ(例:Tera Term)を起動し、以下の手順で接続します。
- Tera Termの起動: スタートメニューやショートカットからTera Termを起動します。
- 新しい接続の設定: 起動時に表示される「新しい接続」ダイアログで、以下を設定します。
- ホスト: 先ほど確認したLinuxサーバのIPアドレス(例:
192.168.1.227
)を入力します。 - サービス: 「Telnet」を選択します。
- 接続の確立: 「OK」ボタンをクリックすると、LinuxサーバへのTelnet接続が開始されます。
5.Linuxサーバにログインする。
Telnet接続が確立すると、Linuxサーバからログインプロンプトが表示されます。
- ユーザー名の入力: 例として
user01
を入力し、Enterキーを押します。 - パスワードの入力: パスワードを入力し、Enterキーを押します。パスワードは画面に表示されないので注意してください。
ログインが成功すると、Linuxのシェルプロンプト(例:user01@ubuntu:~$
)が表示されます。
6.ログアウトする。
作業が完了したら、以下のコマンドでログアウトします。
・「exit
」コマンドを実行します。
このコマンドを入力すると、Telnetセッションが終了し、ターミナルエミュレータも自動的に閉じます。
user01@ubuntu:~$ exit
まとめ
ターミナルエミュレータを使用したTelnet接続は、以下の手順で行います。
- 仮想マシンのネットワーク設定を変更して、ブリッジアダプターを使用する。
- LinuxサーバのIPアドレスを確認する。
- ターミナルエミュレータを起動し、TelnetでLinuxサーバに接続する。
- ユーザー名とパスワードを入力してログインする。
- 作業終了後、
exit
コマンドでログアウトする。
これらの手順を踏むことで、Windows環境からLinuxサーバに対して遠隔操作が可能になります。ただし、Telnetは通信内容が暗号化されないため、セキュリティ上の観点からSSH(Secure Shell)の使用が推奨されます。SSHを利用すると、通信内容が暗号化され、安全にリモート接続が可能です。
補足情報
- Telnetのセキュリティ上の注意点
Telnetは通信内容が平文で送信されるため、第三者に盗聴されるリスクがあります。パスワードや機密情報を送信する場合はSSHを使用しましょう。 - WindowsでのTelnetクライアントの有効化
コントロールパネルの「プログラムと機能」から「Windowsの機能の有効化または無効化」を選択し、「Telnetクライアント」にチェックを入れて有効化できます。
これを機に、ターミナルエミュレータの操作やリモート接続の方法を習得し、より効率的なサーバ管理を目指しましょう。