新Linux入門|LinuxでZIPファイルを作るならこれ!zipコマンドの基本

Linuxでも、WindowsやmacOSと同じように「ZIP形式」でファイルを圧縮できます。
そのときに使うのが zipコマンド です。
 zipコマンドは、複数のファイルやディレクトリをまとめて1つのZIPアーカイブに圧縮できる便利なコマンドで、バックアップやファイル共有の際によく利用されます。

 例えば、ドキュメントや設定ファイルを一括でまとめたいときや、メールで送る前に容量を減らしたいときに大活躍します。
 ここでは、AlmaLinux 9.6 を使用して、zipコマンドの基本的な使い方や主なオプションをわかりやすく解説していきましょう。

zipコマンドとは?

 zipコマンドは、指定したファイルやディレクトリを圧縮して、新しいZIPファイルを作成するためのコマンドです。
一般的な構文は次の通りです。

⚙️ unzipコマンドの書式

zip [オプション] 新しいZIPファイル名 圧縮したいファイルやディレクトリ

たとえば、

zip archive.zip file1.txt file2.txt

と実行すれば、
file1.txt と file2.txt をまとめた archive.zip が作成されます。

zipコマンドの主な用途

用途説明
複数ファイルをまとめるファイルを1つのZIPファイルに圧縮して管理しやすくします。
ディレクトリをまとめて圧縮フォルダ全体を再帰的に圧縮して、バックアップに便利です。
ファイルを圧縮後に削除圧縮後、元のファイルを自動的に削除することも可能です。
パスワード付きZIPを作成機密ファイルを保護したい場合に活用できます。

 ZIP形式はWindowsとの互換性が高いため、異なるOS間でも簡単にファイルをやり取りできるのが魅力です。

主なオプション

zipコマンドは、多くのオプションを使うことで柔軟な圧縮操作が可能です。
下の表に主なオプションをまとめました。

オプション説明
-rディレクトリを再帰的に圧縮する。サブディレクトリも含めて圧縮可能。
-m圧縮後に元のファイルを削除する。
-u既存のZIPファイル内のファイルを更新する。
-dZIPファイルから特定のファイルを削除する。
-TZIPアーカイブが正しく作成されたかをテストする。
-eパスワードを設定してZIPファイルを暗号化する。
-@対話的に圧縮するファイルを指定できる。

 これらのオプションを組み合わせることで、たとえば「ディレクトリ全体を再帰的に圧縮しつつ、元のファイルを削除する」など、柔軟な操作ができます。

使用例と出力例

それでは、実際にAlmaLinux 9.6環境でzipコマンドを使ってみましょう。

➀ ファイルをZIPに圧縮する

[suzuki@AlmaLinux ~]$ zip archive.zip file1.txt file2.txt
  adding: file1.txt (deflated 56%)
  adding: file2.txt (deflated 48%)

このように、圧縮率(deflated)が表示され、archive.zip というZIPファイルが作成されます。
圧縮後、カレントディレクトリには次のようなファイルができます。

[suzuki@AlmaLinux ~]$ ls
archive.zip  file1.txt  file2.txt

② ディレクトリを再帰的に圧縮する

[suzuki@AlmaLinux ~]$ zip -r folder.zip myfolder
  adding: myfolder/ (stored 0%)
  adding: myfolder/doc.txt (deflated 60%)
  adding: myfolder/data.csv (deflated 45%)

 -r オプションをつけると、フォルダ内のすべてのファイル・サブフォルダをまとめてZIP化します。
バックアップや配布資料の作成にとても便利です。

③ 圧縮後に元ファイルを削除する

[suzuki@AlmaLinux ~]$ zip -m backup.zip report.txt
  adding: report.txt (deflated 52%)
  deleting: report.txt

-m オプションを使うと、圧縮が完了した後に元の report.txt は自動的に削除されます。
一時ファイルを残したくない場合に便利です。

➃ パスワード付きZIPを作成する

[suzuki@AlmaLinux ~]$ zip -e secret.zip confidential.txt
Enter password:
Verify password:
  adding: confidential.txt (deflated 61%)

このように -e オプションを使うと、ZIPファイルにパスワードを設定できます。
機密データを扱う際には非常に有用です。

まとめ

zipコマンドは、Linuxで最も親しまれている圧縮ツールのひとつです。
gzip よりも操作が直感的で、複数ファイルやディレクトリをまとめるのに最適です。
 さらに、パスワード保護・自動削除・更新・検証など多彩なオプションを使いこなせば、バックアップ作業やファイル整理がグッと効率化します。

AlmaLinux 9.6でも標準で利用できるので、ぜひ実際に試してみてください。
シンプルな構文ながら、とても強力なコマンドです。