
【Linux入門】CentOSとUbuntuとの違い

CentOS とUbuntu は、両方とも非常に人気のあるLinuxディストリビューションですが、それぞれ異なる特徴や適用されるコンセプトがあります。以下に、それらの主な違いをいくつか挙げます。
開発元とサポート
- CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のクローンであり、企業向けの安定性とサポートを提供します。CentOSプロジェクトは、コミュニティによってサポートされており、無料で利用できます。
- UbuntuはCanonical Ltd.によって開発され、デスクトップやクラウドコンピューティングなどの幅広い用途に適しています。Ubuntuは、コミュニティサポートのほか、商用サポートも提供しています。

パッケージ管理システム
- CentOSは、yum(Yellowdog Updater Modified)または dnf(Dandified Yum)と呼ばれるパッケージ管理システムを使用します。
- Ubuntuは、APT(Advanced Package Tool)を使用します。
リリースサイクル
- CentOSは、RHEL の再構築であり、比較的安定したリリースサイクルを持っています。セキュリティアップデートやパッチが提供されますが、新機能はあまり頻繁には追加されません。
- Ubuntuは、定期的なリリース(通常6ヶ月ごと)とLTS(Long Term Support)版があります。LTS版は、5年間のセキュリティアップデートとパッチが提供されます。
ファイルシステム
- CentOSでは、デフォルトのファイルシステムとしてXFSやext4が使用されます。
- Ubuntuでは、ext4がデフォルトのファイルシステムですが、ZFSもサポートされています。
ユーザーインターフェース
- CentOSは、通常、GUIを使用せずにコマンドラインベースで操作されます。
- Ubuntuには、デスクトップ版(GUI)とサーバー版(CLI)があります。デフォルトでは、デスクトップ版が提供されますが、サーバー版も利用できます。

まとめ
以下にCentOSとUbuntuの主な違いを表にまとめます。
項目 | CentOS | Ubuntu |
---|---|---|
発行元 | Red Hat, Inc. | Canonical Ltd. |
ベース | Red Hat Enterprise Linux | Debian Linux |
パッケージ管理システム | YUM (Yellowdog Updater Modified) | APT (Advanced Package Tool) |
パッケージフォーマット | RPM (Red Hat Package Manager) | DEB (Debian Package) |
パッケージリポジトリ | EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux) | Universe, Main, Restricted, Multiverse |
デフォルトデスクトップ環境 | GNOME | GNOME (デフォルト)、他にも多数の選択肢がある。 |
サポート期間 | 長期サポート (10年) | バージョンによって異なる (LTSバージョンが5年) |
コミュニティ | CentOS Project | Ubuntu Community |
サーバーとしての利用 | 主にサーバー向けに使用される。 | デスクトップとサーバーの両方に利用される。 |
この表は、CentOSとUbuntuのいくつかの重要な違いを示しています。それぞれのディストリビューションは、異なる用途や好みに応じて選択されます。CentOSは、安定性と長期サポートを重視する場合に好まれることがあります。一方、Ubuntuは、新しい機能の追加やデスクトップ環境の利用が必要な場合に選択されることがよくあります。
どちらのディストリビューションも優れた性能と安定性を持っていますが、使用目的や個々のニーズによって選択するのが良いでしょう。企業環境では CentOS の安定性が魅力的ですが、デスクトップや開発環境では Ubuntu の使いやすさが好まれることもあります。