ファイルとディレクトリ

ファイル

 ファイルはデータを保存するための領域です。テキスト、画像、実行可能なプログラムなど、さまざまな形式のデータを保持できます。Linuxでは、ファイルは名前と、そのファイルのデータが格納された場所(inodeと呼ばれるデータ構造)への参照から構成されます。

ディレクトリ

 ディレクトリはファイルや他のディレクトリを含む場所を指します。ファイルシステムを階層的に構成するために使用され、データの整理や整頓に役立ちます。ディレクトリは、他のファイルやディレクトリへのパス(場所)を指定することでアクセスできます。

Linuxのパス

 Linuxでは、ファイルやディレクトリへのパス(場所)を指定するために、次の2つの種類のパスが使用されます。

絶対パス

 絶対パスは、ファイルやディレクトリへの完全な場所を示します。ルートディレクトリ(/)から始まり、対象のファイルやディレクトリまでの階層を示します。例えば、「/home/user/Documents/file.txt」は、ルートディレクトリから「file.txt」までの完全なパスを示します。

絶対パスの例

絶対パスは、ルートディレクトリ(/)から始まるパスです。

  • /home/user/Documents/file.txt
    file.txt」が「/home/user/Documents/」ディレクトリ内にあることを示す絶対パスです。
  • /etc/apt/sources.list
    sources.list」が「/etc/apt/」ディレクトリ内にあることを示します。
  • /var/log/syslog
    syslog」が「/var/log/」ディレクトリ内にあることを示します。

相対パス

 相対パスは、現在の作業ディレクトリからファイルやディレクトリまでのパスを示します。「.」(カレントディレクトリ)や「..」(親ディレクトリ)を使用して、カレントディレクトリを基準に相対的な場所を指定します。例えば、「../Documents/file.txt」は、カレントディレクトリから見て「Documents」ディレクトリ内の「file.txt」を指します。

相対パスの例

相対パスは、現在の作業ディレクトリからの相対的な場所を示します。

  • ../Pictures/photo.jpg
    カレントディレクトリの親ディレクトリ内の「Pictures」ディレクトリ内にある「photo.jpg」を示す相対パスです。
  • Documents/file.txt
    カレントディレクトリ内の「Documents」ディレクトリ内の「file.txt」を示します。
  • ../../usr/bin/
    カレントディレクトリの親ディレクトリの親ディレクトリ内の「/usr/bin/」ディレクトリを示す相対パスです。

 相対パスは、現在の作業ディレクトリに依存しており、「..」や特定のディレクトリ名を使って、カレントディレクトリからの相対的な場所を表します。


 これらの概念は、Linuxでファイルやディレクトリを操作する際に非常に重要です。パスを正しく理解し、適切に使用することで、システムのファイルやディレクトリを効率的に操作できます。