ディレクトリのパーミッション

ディレクトリの「読み取り権」

 ディレクトリの「読み取り権」は、そのディレクトリ内のファイル名一覧を表示する際に必要な権限です。この権限が設定されている場合、lsコマンドを使用してディレクトリ内のファイルやサブディレクトリの一覧を表示することができます。

 しかし、この権限だけではディレクトリ内のファイルに対して直接アクセスすることはできません。具体的には、cdコマンドやcatコマンドを使用してディレクトリ内のファイルにアクセスすることは許可されません。

例えば、次のようにしてディレクトリに読み取り権を設定できます。

# chmod +r directory_name

これにより、ディレクトリ ‘directory_name‘ に対して読み取り権限が追加されます。

ディレクトリの「書き込み権」について解説

 ディレクトリの「書き込み権」は、そのディレクトリ内で新しいファイルやサブディレクトリを作成したり、既存のファイルを削除したりするための権限です。この権限が設定されている場合、ディレクトリ内での変更や操作が可能となります。

以下は、ディレクトリに書き込み権を設定する例です。

# chmod +w directory_name

これにより、ディレクトリ ‘directory_name‘ に対して書き込み権限が追加されます。

ディレクトリの「実行権」について解説

 ディレクトリの「実行権」は、そのディレクトリ内に移動するための権限です。この権限が設定されている場合、cdコマンドを使用してディレクトリに移動することができます。また、この権限がない場合、lsコマンドでディレクトリの内容を表示することはできても、ディレクトリ内に移動することはできません。

以下は、ディレクトリに実行権を設定する例です。

# chmod +x directory_name

これにより、ディレクトリ ‘directory_name‘ に対して実行権限が追加されます。

ディレクトリ権限の総合例

 ディレクトリに対する権限を組み合わせることで、詳細なアクセス制御が可能です。以下は、読み取り、書き込み、実行の権限を一度に設定する例です。

# chmod +rwx directory_name

 これにより、ディレクトリ directory_name に対して読み取り、書き込み、実行の権限が一括で追加されます。ただし、これは権限を最大限に設定した例であり、実際の利用環境ではセキュリティを考慮して必要最低限の権限のみを与えるべきです。

その他のポイント

1.ディレクトリのパーミッション表示

 ディレクトリのパーミッションは、’ls -l’ コマンドを使用することで表示できます。例えば、’ls -l directory_name’ でディレクトリの詳細な情報が表示されます。

2.ユーザー・グループ・その他の権限

 パーミッションは、ユーザー(所有者)、グループ、その他の3つのカテゴリーに対して設定されます。各カテゴリーごとに読み取り、書き込み、実行の権限が設定され、これにより細かいアクセス制御が可能となります。

# chmod u+rwx,g+rx,o-rw directory_name

 この例では、所有者には読み取り、書き込み、実行の権限が、グループには読み取りと実行の権限が、その他には権限が与えられています。

3.権限の削除

 権限を削除する場合は、「-」を使います。例えば、’chmod -w directory_name’ で書き込み権限が取り消されます。


 以上がディレクトリのパーミッションに関する基本的な解説です。権限の設定はセキュリティの観点から慎重に行う必要があり、必要最低限の権限を与えるように心がけましょう。