tarコマンドとgzipコマンドの関係

 tarコマンドは、ファイルやディレクトリをアーカイブ化(まとめて1つのファイルにまとめる)するためのコマンドです。これにより、複数のファイルやディレクトリを1つのアーカイブファイルにまとめて、後で簡単にバックアップしたり、他のシステムに転送したりすることができます。一般的に、tarコマンドはアーカイブを作成する際に使われますが、圧縮は行いません。

 一方、gzipコマンドはデータ圧縮のためのコマンドで、単一のファイルを圧縮してサイズを小さくすることができます。gzipコマンドは、tarコマンドと組み合わせて使うことが一般的で、通常、tarコマンドで作成されたアーカイブファイルをgzipコマンドで圧縮することが多いです。

 具体的には、まずtarコマンドを使用してファイルやディレクトリをアーカイブ化し、それからgzipコマンドを使ってそのアーカイブファイルを圧縮することができます。これにより、.tar.gzや.tgzといった拡張子のファイルが作成されます。

例えば、ファイルをtarコマンドでアーカイブ化し、gzipコマンドで圧縮するコマンドは次のようになります。

$ tar -cvf archive.tar files_to_archive      # ファイルやディレクトリをtarアーカイブ化
$ gzip archive.tar                           # tarアーカイブをgzipで圧縮

 そして、解凍する際には逆の手順を踏みます。gzipコマンドで圧縮された「.tar.gz」ファイルを解凍し、tarコマンドで展開します。

$ gzip -d archive.tar.gz                     # gzipで圧縮されたファイルを解凍
$ tar -xvf archive.tar                       # tarでアーカイブを展開


これらのコマンドは、Linuxシステム上でよく使われるファイルのアーカイブと圧縮の手法です。